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写真少年漂流記
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カテゴリ:道具手帖( 29 )
レンジファインダー式デジカメに食指
現在所有しているコンパクトデジタルカメラはニコンのCoolPix5700だが、購入したのが2003年で、流石に買い替え時のようだ。ということで、このクラスのデジカメ製品に最近は視線を注いでいる。16mmの単焦点レンズが用意されてるソニーのNEX-5Aに惹かれる。背面液晶モニターしかなく、ファインダーが欲しい場合は別途外付けのものを購入しなければならない。かつてライカで経験したが、何となく無駄なシステムだと思う。それに交換レンズ方式のほうががいいか、それともその必要なしと考えるか、人によって判断が分かれるだろう。
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Nikon CoolPix P7000
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Canon PowerShot G12

デジタルカメラの背面液晶モニターはデジタルゆえの特長といえる。特にパネルが回転するそれは、手を伸ばしたりして撮る時に便利である。ただ通常撮影の場合、外部光に邪魔されたりして見づらいことが多い。だからファインダーがあったほうがいいのだが、省略した製品が多いようだ。この秋、ニコンからCoolPix P7000、キヤノンからPowerShot G12が発売されるが、いずれも光学ファインダー内蔵で好ましい。しかし偶然だろうか、実にこのふたつのデザインはよく似ている。その特長は、ややレトロ志向、一昔前のフィルムのコンパクトカメラを彷彿とさせる。
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Fujifilm Finepix X100

さて私が今一番気がかりなのは、最近、富士フイルムが発表したFinepixX100である。センサーはAPS-Cサイズ、単焦点レンズ搭載の非レンズ交換式のコンパクトカメラである。焦点距離は23mmで、フルフレームで換算すると35mmになるようだ。要するにかつてのローライ35やコニカーヘキサーといった高級コンパクトカメラのデジタル版なのである。上面軍艦部にはシャッターダイヤルが搭載され、背面の液晶モニターがなければ、フィルムカメラと見間違えそうなデザインとなっている。明らかにオールドファンを意識したものだが、レトロ志向が良いかは別問題だろう。しかしながら、この製品にはデジタル時代らしい新しい技術も投入されている。ハイブリッドビューファインダーである。
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レンジファインダータイプのフィルムカメラに搭載されていた「採光式ブライトフレームファインダー」の採光窓と、撮影範囲を示すブライトフレームに当たる部分を、144万ドットの液晶パネルに置き換えている。液晶パネルにブライトフレームや情報を表示し、プリズムを用いてファインダー窓から得られる光学像に重ね合わせることで、被写体をクリアな実像でフレーミングしながら、撮影情報も同時に確認することができる仕組みだそうである。これはかつてのレンジファインダーではできなかったことだ。また液晶パネルは、高画質なEVFとしても使用でき、ワンタッチで自由に切り替えられるそうだ。クラッシックな外観に最新技術を盛り込んだということだろう。久しぶりに食指が動くデジタルカメラではある。

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by twin_lens | 2010-09-23 09:37 | 道具手帖
黒船電子書籍端末の襲来
2年前の夏、私は当ブログに「なぜ電子書籍端末は売れないのか」という記事を書いた。その前年、米国のアマゾンがKindleを売り出したところ、5時間半で売り切れてしまった。ところがパナソニックとソニーが専用端末を使った電子書籍から事実上撤退したのであった。売れなかった要因を、端末自体が高過ぎ、しかもコンテンツが少な過ぎるといった問題が改善されないうちに、携帯電話向け市場が成長してしまったからと分析したいるようだ。これには取り次ぎが絡む複雑な流通体系により、出版社などが電子書籍向けにコンテンツを開放しないという実情も関係しているようだった。
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Amazon Kindle

ところが今年に入って俄かに様相の変化が起きたのである。米国のアップル社が1月27日、サンフランシスコで開かれた製品発表会でタブレット型コンピュータiPadを発表したからである。4月3日に販売が米国で開始されたが、発売初日で30万台の販売実績を上げた。5月28日にはこのiPadが日本にも上陸、アップル社とソフトバンクモバイルが販売を開始したが、予約が殺到し、供給が追い付かない状態だという。3ヶ月弱を過ぎた現在、米国では売り上げが300万台を超えたというから凄い。
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Apple iPad

アップル社のiPadは簡単にいえば、ウェブ上の様々なコンテンツを愉しむタブレットである。ホームページ閲覧やメール、最近流行りのSNSやTwitterへの参加、あるいはゲームや音楽、ビデオを楽しむなど、インターネット上のあらゆる資産の恩恵を受けることができる。そして俄かに注目され始めたのが、2年前には考えられなかった新聞、雑誌、書籍のリーダーとしての存在である。かつて電子出版に冷やかであった出版社も重い腰を上げざるを得ない状況が、たった一社の一製品によって生まれたといえる。いわば現代の黒船到来といった趣きなのだ。

b0148967_19303930.jpg一冊の本を電子化すると、どの程度の容量が必要か私には不案内である。ただKindleの9.7インチ型の仕様には3500冊の本が収納できるとある。これがいったい単なるペーパーバックスのことを指すのか不明であるが、相当の数の書籍を持ち歩くことが可能なようだ。さらにiPadは音楽や動画の再生が可能なのでこれらをコラボレーションした新たな書籍スタイルが生まれると期待される。いやデモ映像を見ると、すでに生まれている。従って電子書籍出版が盛んになれば、我々のライフスタイルは大きく変化すると想像される。近未来的には「電子図書館」「電子貸本屋」といったものがクラウド上に現れるに違いない。しかし私が危惧するのは、従来の紙媒体による出版に滞りが生ずる可能性があることだ。電子書籍は文字を拡大したり、キーワード検索など、様々な優れた機能を持つだろうが、端末の形状によって表層的な風貌が決まってしまう。それに比べ、それこそ背格好から違う紙媒体の書籍は豊かな多様性を持っている。これらを安易に捨てて欲しくないからだ。さて私だが、いずれiPadを購入することになると思う。本心としてはKindleが欲しいのだが、自分が電子写真集を発行するかもしれないと考えると、やはりiPadになってしまいそうだ。

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by twin_lens | 2010-06-29 17:33 | 道具手帖
999最大イベント? ライカ判のライカM9お披露目
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2009年9月9日、つまり999と9並び。999で思い出すのが松本零士原作の人気アニメ「銀河鉄道999」。若田光一宇宙飛行士が「銀河鉄道999 ダイヤモンドリングの彼方へ」に本人役でアフレコ出演したそうだ。この日はSL特別列車「銀河超特急999号」が、静岡・大井川鉄道に登場したという。もうひとつ気になったが、前からライカ社が予告していた新しいカメラの発表である。ニューヨーク時間の午前9時、日本時間の午後10時ということでしたが、どうやらサーバがダウン、しばらくアクセスできない状態が続いた。
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というわけでやっと開いたページ。予想通りライカM9で、事前にリークと思われる画像やスペックがが漏れていたものである。センサーはコダック製のCCDで、サイズは24x36mm。これでやっとライカ判のデジタルライカが登場することになった。これまでのレンズが使えるので、ライカファンにとっては垂涎の的となるだろうか、それともデジタルを嫌うか、ちょっと興味深い。どうやら5500-EURとのことなので、約74万円ということになる。私には高嶺の花である。
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Leica M9

* 18 Megapixel, full-frame, Kodak-designed CCD
* Supports Leica M-mount lenses from 16 to 135 mm
* Classic compact Leica rangefinder design
o Magnesium alloy body built like a tank
o Available in black and steel/gray
* Lack of an anti-aliasing filter means insanely sharp photos; moire' is removed digitally
* Glass sensor cover eliminates the need for UV/IR filters
* 2.5" LCD display (for menus and photo review only)
* Large rangefinder with auto parallax correction and 0.68x magnification
* Full manual controls
o RAW (DNG) format supported, compressed and uncompressed
o Shutter speed range of 32 - 1/4000 sec, plus a bulb mode
o ISO range of 80 - 2500
* Hot shoe for external flash
* SD/SDHC card slot
* Uses proprietary lithium-ion battery; battery life numbers not available
* Shipping later this month, US pricing TBD
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by twin_lens | 2009-09-09 09:09 | 道具手帖
オリンパスペン E-P1 に潜む新旧人類
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ここ数日「E-P1 」がブログ検索キーワードランキングの上位に位置しているようだ。これはオリンパスが16日に公表した、マイクロフォーサーズ規格のレンズ交換式デジタルカメラ「オリンパスペン E-P1」のことである。昨年秋、私は当ブログで「ゾーンプレート写真にはマイクロフォーサーズが似合いそうだ」という記事を書いた。その主旨はフランジバック(マウントと撮像素子との間隔)が短いマイクロフォーサーズが、ゾーンプレート写真に向いているのではないかというものだった。その時掲げた写真が、フォトキナで公表されたオリンパスのプロトタイプだった。「初心者向けコンパクトカメラのようだが、ちゃんとレンズ交換ができる。ただし通常のファインダーはなく、背面液晶モニターのみである」と何気なく紹介したが、今回公表された E-P1 の仕様を読むと、この点がちょっと気になる。ラインナップを見ると、やはり単焦点のパンケーキレンズとの組み合わせが、文字通り美味しいそうで食指を伸ばしたくなる。

b0148967_1962157.jpgご覧のように外付け光学ファインダーがセットで、往年のレンジファインダー機を彷彿とさせる。実にカッコ良く、カメラ愛好家の旧人類の心をくすぐるデザインとなっている。かつてライカなどは、本体のファインダーがワイドアングルをカバーしていなく、広角レンズを使う時はこのような外付けのファインダーを付けてフレーミングしたものだ。合焦は本体の二重像合致式距離計で行い、ちょっと目をずらして外付けのファインダーを覗く。ところが E-P1 には電子ファインダーがない。だからフォーカシングは背面の液晶パネルで行う。腕を伸ばして液晶パネルでフレーミングするのは、それこそ新人類の得意技だと思うが、彼らならそのままレリーズボタンを押すだろう。それならどうして外付けが必要なのだろうか。旧人類は本能的に覗くかもしれないが、フォーカスが分からない。合焦、フレーミングというステップを踏めないのである。旧人類と新人類のふたつの要望を取り入れたらしい、設計方針の矛盾に疑問を持たざるを得ない。期待していただけに、やや残念である。

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Nikon D700
Nikkor ED 28-70mm F2.8D and Nikkor VR ED 70-200mm F2.8G

ところで写真は最近私が購入したニコンのフルフレーム(ライカ判フルサイズ)デジタル一眼レフ D700 である。ご覧のように、大口径レンズを所持している。ずいぶん前に購入したものの、ほとんど触れたことがなく、これを活かすために導入したものである。フィルム用なのでデジタルカメラで力を発揮するか不明だが、それなりに高価だったのでやはり勿体ない。いっそ D3 と欲張ってみたかったが、重いというのは言い訳で、実は資金不足でこれに落ち着いた。ニコン大阪SSで直売していただいたが、昨今のカメラ業界について歓談できて興味深いものがあった。オリンパスの E-P1 については、意外と低価格設定という見方を同業者はしているようだ。仮に D4 が出た場合、動画システムは導入されるのか、という問いには、無論返答を得られなった。それはそうだろう、その辺りはトップシークレットになるだろうと想像されるからだ。もしそうするなら、ミラーレスの電子ファインダーにするだろうという感触を得たのだが。
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by twin_lens | 2009-06-18 19:09 | 道具手帖
ゾーンプレートの作り方
ゾーンプレートは下図のような弓道の的に似たパターンを、黒白フィルムで縮小コピーして作ります。横から断面を見ると格子状になっています。この格子の透明部分を通った光が回折して像を結びます。ピンホールは光の直進性、レンズは光の屈折を利用しますが、この点がゾーンプレートとの違いです。ピンホールカメラとの共通点は、レンズレスということです。
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まず最初に大きさが100倍の焦点距離50ミリあるいは80ミリ用のパターンを下記からダウンロードします。
PDF ZonePlate50.pdf PDF ZonePlate80.pdf

ファイルをダウンロードしたら、なるべく高品質のA4ペーパーを使ってプリントします。焦点距離50ミリ用は直径145ミリ、80ミリ用は183ミリになるはずですが、異なる場合はプリンタ設定を微調節してください。これをポスターサイズの白いボードに貼り、マイクロ複写用富士ミニコピーフィルムHRIIで1/100に縮小複写し、微粒子硬調現像剤コピナールで現像します。パターンを複写する場合、レンズの繰り出しが加わりますので、焦点距離と撮影距離の関係は以下の表のようになります。
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パターンの中心とカメラのレンズが同じ高さになるように三脚をセットして、像が歪まないように複写します。単焦点レンズのほうがベターで、ワイドレンズは避けたほうが良いでしょう。現像すると黒白が反転、ネガがそのままゾーンプレートになります。プレートをピンホール同様にカメラに装着すれば出来あがりです。写真はニコンのデジタル一眼レフ普及機D40のボディキャップに付けたものです。
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マガモ loupe 拡大表示
京都・加茂川の北大路橋下
Nikon D40 + Zoneplate ISO800 1/20sec

これはサンプル写真ですが、ゾーンプレートはピンホールと比べると口径が大きく、比較的早いシャッターを切ることができるので、このような動く被写体を撮ることが可能です。回折現象が作りだす画像は、トーンが柔らかく、独特の美しさがあります。
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by twin_lens | 2009-05-26 08:00 | 道具手帖
構造が複雑になった富士のフォールディング中判カメラ
b0148967_2343219.jpg富士フイルムのフォールディング(折り畳み式)中判フィルムカメラGF670が発売になった。このところ支出が立て込んでしまったので、購入はもう少し先の我慢だ。ところで日経BPネットが、企画開発を担当した石原慎治氏へのインタビューを載せているが、誠に興味深い。まず第一に発案がひょっとしたら富士の米国法人かなと思っていたが、日本であった。前にこのカメラについて取り上げたところ、りゅうじさんから、巻上げレバ―を付けて欲しいという強い要求があった。このカメラの特長は6x6、6x7のふたつのフォーマット切り替え式であることだ。ノブ式にした理由がそのせいであることが分かった。「フィルムのサイズが切り替えられるということは、選択するサイズによって巻き上げ量が変わるということです。60×70mmのほうが1cmだけ余計に巻き上げなくてはならない、というわけですね。だから巻き上げをレバー方式にすると、60×70mmと60×60mmとではレバーが巻き止まる位置が変わってしまう。ひいてはユーザーには違和感が残ってしまいます。しかしノブで巻き上げる方式ならそんな心配がありません」ということらしい。
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フォーマット切り替えのメカニズム Loupe 拡大表示

図はそのフォーマットを切り替える仕組みである。フィルム枠右の黄色いマイナスネジがそのスイッチのようだが、ずいぶん複雑にメカニズムが絡んでいる。単に巻上げ量を変えるだけではなく、フィルム露光面のサイズも変える必要がある。さらにフィルムカウンターもそれに合わせて連動しなければならない。つまり6x7だけのつもりが、6x6もと色気を出して、内部構造がとてつもなく複雑になってしまったというわけだ。それこそ大昔のカメラは、裏ぶたの赤窓でフィルム送りの量を調節できたものだが、現代ではそこまでレトロ仕様には流石にできないらしい。ところで同社のGA645は全自動であった。いわば時代に逆行したわけだが、それなら何故、いっそのこと全機械式にしなかったのだろうかという疑問が残る。理由はこうである。富士フイルムはレンズシャッターのシャッターを生産していなく、これに合うものがすでに入手不可能なんだそうだ。だから「涙を飲んで電子シャッターを採用した」ということらしい。

光学機器の発達は18~19世紀の産業革命の所産だと思う。黎明期のカメラは木製暗箱だったが、やがて金属製が現れる。ライカやコンタックスは、その産業革命の技術を引き継いだものであろう。ところが第二次大戦後のエレクトロニクスの発達によって、カメラが次第に変貌したはご存知の通りである。例えばニコンの一眼レフの場合、機械式はF3までで、F4以降は電子制御になってしまった。b0148967_94747.jpg機械式は中判カメラに比較的長い間残ったが、今や一部の二眼レフなどを除いては皆無に近いのではないだろか。富士の場合、ゼロからシャッターを開発すると、とてつもないコストがかかるという。カメラの電子化が、結局、機械技術を淘汰してきたことになる。「確かに電子制御にすれば、設計も生産もずいぶんと楽になります。ところがそうすると電池は大型になるし、モーターやICなどのスペースも取らなくてはならない。意外に思われるかもしれませんが、カメラは電子化するとサイズも大きくなってしまうのです」というのは傾聴に値する。デジタルカメラ全盛時代に、このカメラを世に問うたことに敬意を表したい。写真はツァイスイコン社製のフォールディングカメラ Super Ikonta で、1930年代から50年代末まで製造された、ロングセラー名機である。
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by twin_lens | 2009-03-22 23:09 | 道具手帖
デジタルカメラは起死回生の商品だったようだ
カメラ映像機器工業会の統計資料によると、デジタルカメラの昨年12月の国内出荷は前年同月比20.7%減、外国向け出荷が同14.9%減、総出荷は15.8%減だったそうだ。そのうちデジタル一眼レフは、国内出荷が前年同月比30.1%減の7.6万台、外国向け出荷が同10.2%減の46.6万台で、総出荷台数は同13.6%減の54.2万台となったという。2008年(1~12月累計)のデジタルカメラの総出荷実績は、1億台を突破した。しかし2008年秋以降の急激な景気後退の影響が表れ始めたので、2009年はこうした変化を踏まえ、デジタルカメラ全体としては約79万台減の1億1897.1万台(前年比99.3%)と見通したそうである。2010年、11年のデジタルカメラの総出荷は、景気の後退から徐々に回復に転じることが期待されるが、さらに情勢によっては、見通しの再検討をしたいとしている。おそらく下方修正をするのではないか。以上に関しては、米国のデジタルカメラ情報サイト Digital Camera Resource Page も、カメラ映像機器工業会の見通しを翻訳して報じている。

次にフィルムカメラの出荷台数だが、2000年には3172万台だったのが、2007年にはわずか79万台に落ち込んだ。さらに昨年は低迷し、カメラ映像機器工業会はついに統計発表をやめてしまった。フィルムカメラ出荷のピーク値を知りたいのだが、残念ながら上記2000年のものしか分からない。この年、デジタルカメラはまだ1034万台で、フィルムカメラの1/3であった。ところがわずか2年後の2002年に、フィルムカメラ2366万台、デジタルカメラ2455万台と逆転してしまう。さて、ここで考えると興味深いのが、カメラ全体の数である。つまり2002年には両者足しても5千万台だったものが、2008年には1億台を超えたことである。両者それぞれに値段の差があるだろうけど、とにかく数の上では倍増している。つまりデジタルカメラは日本のカメラ工業にとって、起死回生の商品ではなかったかということである。
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Frickr Camera Finder

統計資料というのは面白い。総務省統計局の人口推計月報によると、1月1日現在の総人口は1億2765万人、このうち15~64歳が8210万人となっている。この数字から分かるのは、日本の総人口に値する数のデジタルカメラを、毎年作っていることになるのである。これにカメラ機能を備えた携帯電話もデジタルカメラと呼ぶなら、果てしない数になりそうである。写真共有サイトFlickrには、Camera Finderという機能があって、投稿写真のExif情報から機種のランキングが分かるようになっている。それによると、キヤノン、ニコンのデジタルカメラに続いて、アップル社のiPhoneがランクアップされている。これは写真サイトの数字だから、一般には携帯電話の比率はもっと多いと推測される。いずれにしても、芸術作品とか、そういう範疇を考慮せずに考えると、デジタル化によって写真を撮る人々が世界で爆発的に増加したといえなくもないだろう。フィルムカメラが瀕死状態になってしまったことは残念だが。
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by twin_lens | 2009-02-02 20:04 | 道具手帖
デジタルカメラの魁(さきがけ)を走るコンパクト機
今でこそデジタル一眼レフの液晶モニターは、ライブビュー方式になったが、相変わらずボディの背面に固定されたままのものが多いようだ。その点、コンパクトカメラはモニターが可動式で、回転したりする。これは、例えばアングルファンダーを使わなくても、地面にカメラを置いてローアングルで撮影できたりする。この機能はフィルムカメラになく、デジタルカメラゆえに可能な機能である。デジタル特有と言えば顔認識機能も面白い。しかし高級機と呼ばれる一眼レフには搭載されてないようだ。このようなデジタル特有の機能は、安価なコンパクト機に搭載されてるのに、なぜ高級機にないのだろうか。結局のところ光学ファインダーにこだわってるからで、電子ファインダーにすればもっと機能が拡張すると私は思う。それにヒトの顔以外のパターン認識まで広げるとか、あるいは動体認識機能などがあれば、その応用範囲は限りなく広がるのではないだろうか。もっともいろんな機能を付けると操作が煩わしくなるという異見が出るかもしれない。その場合はさまざまな機能をカスタマイズできるようにすれば良いと思う。

b0148967_1954334.jpgソニーが今月16日に発売予定のコンパクトカメラはWiFi(無線LAN通信機能)がウリとなっているようだ。無線LAN機能があるカメラは、ニコンからも出ているが、ソニーのこれはカメラがそのままウェブブラウザーになるという。つまりパソコンを使わずに、撮影した写真をそのままインターネット経由でアップロードできるというものだ。これはすでに前からケータイ電話が実現しているが、普通のデジタルカメラにもあったらいいな、と常々思っていたものである。ただ外出先でインターネットに接続するには公衆無線LANサービスが利用できる環境が必要になる。大学生ならキャンパスで使えるだろうし、最近は公衆無線LANサービスを提供する商業施設が増えているので、それなりに魅力がある。ただケータイ電話に比べると利用範囲は遥かに少ないので、本格的なモバイル通信をするのはやや物足りないと言えそうだ。なお、この製品には写真の加工や補正ができる「カメラ内レタッチ」機能が付いている。私はサンドイッチマンになるつもりは毛頭ないが、このような機能がコンパクトカメラにまず搭載されることに興味を抱いている。

キヤノンやニコンの旗艦機がいずれも一眼レフなのは、現時点ではやはり光学ファインダーのほうが合焦レスポンスが良いという点にあると思う。もうひとつはレンズ交換式カメラの宿命で、マウントの変更がし難いということがあるのだろう。電子ファインダーにすればパナソニックのルミックスのようにミラーレスにすることが可能で、従ってフランジバック、つまりマウント面とセンサーのの距離を短くすることができる。フォーサーズ陣営はマイクロフォーサーズという新しい仕様を打ち出したが、キヤノンやニコンは、レンズ資産という亡霊が存在する限り、新しいマウントはユーザーの抵抗に逢うに違いない。ただ例のAPS始動の際には、加わったメーカーは新しいマウントの一眼レフを出した。だから不可能とは思えない。ユーザーの立場から見れば、すでにフィルムとデジタルカメラの特質は理解、使い分けてるつもりである。デジタルカメラはフィルムカメラの仕様を踏襲するのではなく、独自の路線を開拓してこそ魅力が増すと思う。その魁(さきがけ)を走っているのがコンパクトデジタルカメラなのだが。
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by twin_lens | 2009-01-10 17:19 | 道具手帖
弘法は筆を選んだとは思うが
マン・レイは「どんなカメラを使うのですか」と尋ねられると、「どんな絵の具と絵筆を使うのか画家に尋ねますか。どんなタイプライターを使うか作家に尋ねますか」と答えたという。この場合のカメラというのは銘柄を指すのだろう。それが大事な要素であっても、確かに画家に絵の具や絵筆のことは尋ねないと思う。しかし、もっとも重要なことは、画家がどのような画材を使うかだと思う。それが表現に繋がるからだ。水彩絵の具、油絵の具、日本画の顔料、水墨などなど。あるいは、布や紙。これらの画材に相当するのがカメラじゃないかと私は思う。だから銘柄、つまりメーカーではなく、絵の具や絵筆に相当するのは、簡単に言えばカメラの種類ではないだろうか。ライカのような小型カメラとデアドルフ8x10のような蛇腹式大判木製暗箱の間には、写真のジャンル分けをするくらい大きな差があると思う。「どんなカメラを使うのですか」という質問に対するマン・レイの返答は確かに一理ある。しかし絵画において、油絵ですか、それとも水彩画ですか、に相当するような尋ね方と同義と受け取れば、質問の真意を外したものでちょっと納得し難い。それはともかく、弘法は筆を選ばずという話ではないと思う。
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Rolleiflex3.5F with Xenotar75mm, Kodak T-max400, Rolleinar, Metal lens cap, Metal hood, Cable release, Nikon D40 with Zoneplate , Euro-Master, Camphone, Domke camera bag

フリッカーに "What's in your camera bag?" というグループがある。あなたのカメラバッグの中を公開して下さいという趣旨のグループだが、なかなか面白い。カメラに限らず他人のカバンの中身を覗き見することは、万人の興味をそそるものかもしれない。ましてがカメラバッグなら、どんな道具を持ち歩いてるか、大いに参考にもなる。その為に今日撮影したのが私の「ストリート写真バッグ」である。要するに街歩きの際に携行するバッグで、ローライフレックスと、最近導入したデジタルゾーンプレートカメラを主体としたものだ。私は一種のバッグマニアでいろいろ持っている。目的によってカメラの構成が変化するが、それぞれに対応したバッグを買い揃えている。ドンケのバッグは、脇ポケットの蓋にマジックテープが使われてるのが惜しいが、ファスナーを使用していないのが好ましく、お気入りのひとつである。4x5インチ木製暗箱は f.64 のトートバッグを愛用しているが、こちらはファスナーを使った機能的なものである。

このバッグは1930年代にカリフォルニアに誕生した「グループf/64」に由来するものだろう。アンセル・アダムスやエドワード・ウェストンらがメンバーだったので、今日に至るまでその名を轟かせている。簡単に言えば、大判カメラを使い、最小絞りで鮮明な写真を作ろうというのが発足の趣旨だった。これによって米国のピクトリアリズムは終焉、ストレート写真が復権する。メンバーのひとりであったイモンジェン・カニンガムの述懐を読むと、彼女は余り高く評価していないようだ。これは冒頭の記述に通ずるのだが、大判カメラという道具を前面に掲げたグループであった。私は例えばピンホール写真芸術学会といった団体に籍を置いているが、フト自分ながら疑問に思うことがある。つまりカメラを前提にした写真表現はオカシイのではないかということである。逆ではないか? 道具というのは表現の前面にあるのではなく、背後に控えていなければならない。写真表現は道具に依存する度合いが大きい。しかし、その道具を前面に掲げるのは本末転倒ではないかと思うのである。
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by twin_lens | 2009-01-03 16:27 | 道具手帖
デジタルは銀塩写真システムを脅かしたが
b0148967_0262727.jpg富士フイルムが来年3月に新しい35mmネガカラーフィルム「フジカラーSUPERIA PREMIUM(スペリアプレミアム)400」を発売する。同社のウェブサイトによると、新設計の感光層により、ラチチュード(撮影露光寛容度)を広げることで露光オーバー時でも色をクリアに再現できるという。同サイトが触れてるように、デジタルカメラの普及によって、写真を撮る人が増えた。そしてトイカメラなどのブームにより、これまでフィルムを使ったことがなかった若い層にもフィルムの魅力が浸透してきた。このような背景を元に、新しいフィルムの開発が行われたらしい。ネガカラーはリバーサルフィルムと比べるとラチチュードが広い。これをさらに広げるということは、いわばフィルムカメラの新しい客層を睨んだものなのだろう。このようなフィルム関係の新製品ニュースに接すると、何故かほっとする。

ところでこのブログで、これまで何回か新製品など、写真工業界の話題を取り上げてきた。写真を生業にしながら、正直言って、かつては業界の動きに対しては無頓着であった。というのはカメラやフィルムは黙っていてもどんどん作られるし、それが瀕死状態になるなんて思ってもいなかったからだ。むしろ新製品の洪水には辟易していた口である。ところがデジタルカメラの普及によって、その様相が一変してしまった。ミノルタと合併したコニカが、いつの間にかカメラと感光材料の分野から撤退したのには驚いた。フィルムカメラの出荷量が激減し、ついにカメラ映像機器工業会の統計資料から消えてしまった。余りにも少ないからというのが理由らしい。カメラが売れないならフィルムも売れなくなる。するとフィルムの製造も危うくなるのではと心配したのは私だけではないだろう。そういうわけで写真工業界にも注視するようになった。情報収集に役立ったのは、既存のカメラ雑誌などではなく、各企業のウェブサイトであったと言える。

デジタルカメラブームの魁となったのは、1995年3月に発売されたカシオQV-10であった。撮像素子は25万画素、記録媒体は内蔵フラッシュメモリーで、撮影コマ数96枚だった。背面に液晶モニターを装備、その場で画像を確認できることがヒットの要因になったようだ。翌年、富士フイルム、コダック、キヤノン、ミノルタ、ニコンの共同開発によるAPSカメラが発売された。その仕様には見るべきものがあったが、時すでに遅しの感があったのは御存じの通りである。過去においても写真工業界は、フィルムのフォーマットを変えて新たな消費を生むという戦法をとってきた。ところがデジタルという思わぬ伏兵がいたのである。APSカメラはあだ花となったが、その代わりにデジタルカメラが業界を救ったといえる。世界の写真人口を増やし、工業製品の輸出で成立している日本経済を活性化させたと言えないだろうか。確かに銀塩写真システムを脅かし、その市場を狭くしたが、今や両者は共存の時代に入っていると思う。
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by twin_lens | 2008-12-20 00:27 | 道具手帖